ハンドメイドルアー作りに必要な材料、塗料、コーティング剤、工具類について
今回は、ハンドメイドルアー作りにオススメの材料や道具について紹介させて頂きます。
実は以前よりYoutubeのコメント欄などでご質問頂くことが多く、どこかでまとめたいなぁと思っていたのですが、なかなか手を付けれていませんでした。
と言っても、私の場合、本格的なルアービルダーではなく、かなりざっくりテキトーな感じで、簡単お手軽さがウリのなんちゃってハンドメイドルアー作りですので、その点を前提としてご参考にしていただければ幸いです。(最下部にルアーメイキング動画4本あり)
ハンドメイドルアー作りにおすすめの材料
メイン素材
ルアーのボディとなるメインの素材です。
私が作るハンドメイドルアーの素材は主に下記の2種類
- 木材
- 粘土
です。
木材
一般的にハンドメイドルアーの材料としてバルサ材を思い浮かべる方も多いと思いますが、バルサ材は柔らかすぎて削りすぎてしまったり、力加減を誤って割れてしまったりと、意外と扱いが難しく、またソルトウォーターにおいては強度的にも厳しいと感じており、個人的にはオススメしておりません。
個人的なオススメ木材としては、桐材やファルカタ材です。
どちらも柔らかめで軽くて、丈夫で扱いやすいです。
実は、セリアやダイソーで販売されている木材の多くは材質が桐材で、ルアー作りにとても適しています。(動画リンク:ざっくりテキトーに作る魚皮感あふれるダイビングペンシル)
なので、私はセリアの角材2p(45×3.8×0.7cm)をメインに使用しています。
ファルカタ材はホームセンターなどで安価で購入できます。
いずれにしても、木目が揃った綺麗なものを選ぶと良いと思います。
粘土
粘土については、おねんどジグ関連の動画やブログで詳しく紹介していますが、下記の粘土をメインに使用しています。
- 石粉ねんど
- クラフトねんど
- 樹脂ねんど
私の動画では石粉粘土を使っていることが多いですが、樹脂粘土もよく使います。ただ、樹脂粘土はモノによっては硬化に非常に時間がかかったり、そもそも硬化後も柔軟性があるものもあれば、厚みがあるルアーだと中心部がしっかり硬化しないこともあるので、ちょっと扱いが難しいです。しっかり硬化するものであれば強度もありルアー製作に向いているかもしれません。
木材にしても粘土にしても、100均で手に入るもので十分で、高級品を使う必要はありませんが、高級品はやはり扱いやすくて丈夫です。もちろんアマゾン等のネット通販でも買えます。
ウェイト類
ルアーの中に埋め込むウェイトですが、特に専用のものを使う必要はありません。
おねんどジグ製作においては板オモリ、ウッドルアーの場合は、ルアーの形状やコンセプトに応じて、中通しオモリや割ビシなどを使用しています。
ワイヤー
ステンレス製の針金を使用します。
作りたいルアーのサイズにもよりますが、0.8mm~1.2mmの硬質ステンレスバネ線がおすすめです。
慣れないうちは加工しやすい軟質のものでも問題ありませんし、軟質だからといって魚に破断されるようなことはまずありません。
ただし、軟質の場合、ぶつけたりすると曲がってしまったり、錆びやすいのも弱点です。
逆に軟質は、出来上がった後でアイの調整ができるので、ミノー等アイの角度がシビアなルアー製作には向いていると思います。(硬質の場合、完成後にアイを曲げようとするとコーティングにひびが入ってしまったり、ボディが割れてしまう恐れがあります。)
ジグやシンペン、ダイビングペンシル等には硬質ステンレスバネ線がオススメです。
硬質ステンレスバネ線は、大型釣具店やネットで、ヤエンやスピナーベイト製作用材料として販売されています。
接着剤
接着剤は主に、瞬間接着剤とエポキシ接着剤の2種類を使用します。
瞬間接着剤
ルアーボディの防水と補強を目的として、瞬間接着剤を使用しています。
セルロースセメントにドブ漬けでもいいのですが、セルロースセメントは保管・管理が難しく、しばらく使わないとすぐに固まって使えなくなったり、臭いもきついので家族からも嫌がられます。
瞬間接着剤であれば、100均で使い切りタイプもありますし、安価でお手軽なのでおすすめです。
使い方は、木材であれば、塗装やアルミテープを貼る前に、木材全体に沁み込ませるだけです。
粘土も同様に成形後に硬化した粘土に沁み込ませるだけで、防水と補強効果があります。
上記のような目的のため、超サラサラタイプのものがオススメで、100均にも色々あります。
エポキシ接着剤
エポキシ接着剤は、ウッドルアー製作において、ワイヤーやウェイトを挟み込んで2枚の木材を貼り合わせる際や、目玉シールをしっかり貼り付けたい時に使用します。
基本的に、クリアエポキシでダイソー等100均で販売されているものでも問題ありません。
▶関連記事:ダイソーの新エポキシ接着剤がルアーコーティングにも使えて超優秀!
アルミテープ
キッチン用アルミテープを使用します。
100均に置いてあるもので十分です。商品により厚みや光沢に差がありますが、色々試してみて扱いやすいもの選ぶと良いです。
私は、ダイソーのキッチン用アルミテープがお気に入りです。(ネットで買うと割高かと思います。)
ホログラムシール
これは100均のものはオススメできません。
100均ホログラムテープ類はかなり厚みがあり全く伸びない素材なので、曲面に貼るとシワが出来たり、端が浮いてきたりするので失敗に繋がりやすいです。(完全フラットな面に貼るのであれば良いかと思います。)
※2022年1月追記:最近セリアの釣具コーナーに登場したホログラムシールはルアー用に作られており、伸びも輝きも申し分ないです。
ホログラムはやはりルアー製作用に作られた伸縮性のあるものを使用されることをオススメします。
塗料
私のルアー製作においては、エアブラシは使わない方針でやっております。
以前はエアブラシも使い細かい部分まで塗装したりして頑張っていましたが、そんなに頑張ったところで魚はあまり細かいところまで見てくれてないことに気づき、あまり意味がないなぁと思いやめました。(芸術作品としてみればとても綺麗だと思っています。)
ただ、エアブラシを使わなくても、コツを掴めば缶スプレーだけでそれなりのクオリティに仕上がり、とても簡単に塗装できるので問題ないかなと思います。
エアブラシは使用後のメンテナンスや塗料の入れ替えなどで手間が掛かりますが、缶スプレーならすごくお手軽です。
用意するカラーは、下記5~6色程度でOK
- ブラック系(メタルブラック、セミグロスブラック 等)
- シルバー系(メタリックシルバー、シャインシルバー 等)
- ホワイト系(パールホワイト)
- クリアブルー
- クリアイエロー
- クリアレッド
上記の組み合わせで、色々なカラー表現ができます。
- メタルブラックの上からクリアブルーを吹いて、ディープブルーな感じ
- クリアブルーの上からクリアイエローを吹いてライトグリーンな感じ
- クリアピンクにしたい場合は、シルバーの上から薄くクリアレッドを吹けばOK
などなど。
缶スプレーは、下記2社の商品で、それぞれ特徴があります。
タミヤカラー
- パールホワイトや光沢のあるブラック系は色の濃いタミヤがオススメ。
- タミヤのクリア系のカラーは1吹きあたりの着色が濃いため、ルアー製作には不向き。
ミスターカラー
- クリア系のカラーが薄めでルアー塗装においてはとても綺麗に仕上がる。
- シャインシルバーというラメっぽいシルバーが優秀。
- ホワイトパールという塗料は薄すぎて色が乗らない為、ルアー製作には不向き。
目玉シール
ハンドメイドルアーに命を吹き込んでくれる目玉シール。最近は100均(ダイソー)でも販売されており、ありがたい時代です。
もちろんダイソーの目玉シールで全く問題はないのですが、目玉一つでルアーの雰囲気ががらりと変わったりするので、色んな種類を揃えていても楽しいと思います。
海外製のものがアマゾン等でかなり安価で販売されているので、本格的にルアー作りを始めたい方はこれらを購入されても良いと思います。(一生困らないくらいの目玉が届きます 笑)
コーティング剤
ルアー製作に使用するコーティング剤は、一昔前はウレタンやセルロースセメントのドブ漬けが主流で、現在も釣具店などではこの2種類が置いてあること多いですが、最近はエポキシ系のコーティング剤の品質がとても良くなっており、高透明かつ高強度で、ルアー製作においてもとても扱いやす為、私はエポキシ系コーティング剤を主に使用しています。
ウレタンやセルロースセメントは臭いがきつい上に、塗料との相性が難しく、せっかくの塗装が溶けて流れて台無しになってしまったり、気温や湿度により硬化不良を起こす場合もありますので、注意が必要です。
エポキシは基本的に2液混合タイプを使用し、混合比を誤ると硬化不良を起こすことがありますが、混合比さえ間違えなければすごく綺麗に硬化し、基本的に2液性の化学反応による硬化なので一度に厚塗りしても硬化に時間がかかることはありません。良質なエポキシは硬化不良も少なく、とても綺麗にコーティングできます。
エポキシは紫外線による黄変が弱点でしたが、ルアーのコーティング程度の薄さであれば黄変しても気づかないくらいですし、最近は黄変しにくい商品も販売されています。
エポキシ選びの重要なポイントは硬化剤のタイプ
エポキシの硬化剤にはスロータイプ と ファーストタイプ があり、ルアーコーティングには断然ファーストタイプが向いています。
ファーストタイプは硬化速度が速く、速い物なら3~6時間で触ってもOKなくらい硬化し、1日でほぼ実用強度まで硬化します。
スロータイプは作業時間が長くなる作品づくりに向いていますが、硬化に時間がかかるので液だれや色流れもしやすく、ルアーコーティングには不向きかと思います。
ただ、エポキシのファーストタイプはあまり流通しておらず、Amazonなどではあまり販売されておりません。
唯一、下記の造形ラボさんのウォータークリアエポキシレジンが硬化時間が早めの3~4時間となっており、ルアーコーティングにも使えるかと思います。
かなり透明度が高くきれいにコーティングできますが、超低粘度サラサラタイプなので薄く塗り重ねる必要があります。
薄く塗ってもヒケやハジキが発生しにくく、ルアー全体に均一にまとわりつく感じです。
別のエポキシの上から仕上げにこれを塗っても良いと思います。
ただし、実際に使ってみると、この硬化時間は「硬化が始まる時間」なのか?3~4時間でようやくトロッと粘度が高まってくる感じです。(造形ラボさんに問い合わせてみたところ、混合量と気温で硬化時間にかなりブレがあるみたいです。室温25度以上である程度のボリュームが無いと硬化が促進されないとのこと。詳しくは、こちらの記事をご参照ください。)
なので、一度に厚塗りしたい場合は、2液混合・撹拌後に25度以上の室温で3時間ほど放置してから作業するとよいと思います。(C15エポキシなどは真冬でも撹拌後30分程度でトロトロに粘度が高まります。)
ウォータークリアレジンでコーティングするなら、前工程(3時間前)の段階から事前に混合・撹拌しておくと効率が良いかと思います。
※ 造形ラボさんのエポキシにはいくつか種類があり、このウォータークリア以外は硬化時間がすごく長いので、ルアーコーティングには不向きかと思います。購入の際はご注意ください。
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ちなみに、私が愛用しているエポキシはヒロウッデンカヌーショップさんで販売されている、このシルバーチップエポキシのファストタイプです。
これはカヌーやサーフボードにも使われるエポキシコーティング剤で、適度な硬化速度で厚塗りもしやすく、海水にも強くておすすめです。
但し、今後、ファスト硬化剤の入荷見込みがないとのことで、在庫限りで終了となるそうですΣ( ̄ロ ̄lll)ガーン
でもご安心ください!
最近発売されたこのC15ってやつも、硬化がすごく早くて良いです。
私も既に購入し試してみましたが、硬化速度はシルバーチップより早いですし、硬度や透明度も申し分ない感じです。
ちなみに40gのジグをコーティングするのに1g~2gで十分ですので、エポキシ150g(硬化剤と合わせて)もあれば適量ずつ使えば100個くらいはコーティングできると思います。
追記
最近ダイソーで発売された新エポキシ接着剤がコーティング剤としてなかなか優秀です。
▶関連記事:ダイソーの新エポキシ接着剤がルアーコーティングにも使えて超優秀!
エポキシコーティング剤の洗浄には除光液がオススメ
エポキシの洗浄にはネイル用の除光液がオススメです。エポキシはアセトンでよく落ちるのですが、除光液の主成分としてアセトンが多く使われており、このKATEの除光液はノンオイルなのでとても使いやすいです。
ルアー作りに必要な工具とあると便利な道具
最低限必要な工具
最低限必要な工具としては、下記のようなご家庭にある一般的な工具でOKです。
- カッターナイフ
- はさみ
- ラジオペンチ
- ニッパー
- 耐水サンドペーパー(240番~800番くらい)
- 彫刻刀(切れ味の良い物)
- ハケ(コーティング用)
あると便利な道具
- ワイヤーループプライヤー(ワイヤー加工に超便利)
- 単目ヤスリ(ウロコ模様付けに使用)
- スプリングクランプ(ルアーの圧着に使用)
- バイス(万力)(ルアーの圧着や固定に使用)
ハンドメイドルアーのメイキング動画4本
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